外力や温度勾配のない状態で、材料内部に残っている応力のこと※1。材料に残留応力が存在している場合、フックの法則※2に対応するひずみ(残留ひずみ)も発生している。
残留応力はプラスチック製品の変形や反り、ソルベントクラック、製品強度低下などの原因となる。残留応力は外観上では容易に判断がつかないため、市場に出てから問題になることも多い。
※2 フックの法則参考記事
応力とひずみの関係(フックの法則とヤング率)
残留応力の主な原因を以下に示す。
| 原因 | 例 |
| 成形収縮率のバラツキ | ・形状(厚肉、偏肉、不適切なリブによる冷却速度のバラツキ) ・成形条件(冷却速度、金型内圧力、) ・成形収縮率の異方性(強化繊維や結晶構造の配向) |
| 離型時に成形品にかかる力 | ・アンダーカット ・ノックアウトピンの不適切な配置 ・離型抵抗 |
| インサート | ・埋め込み部材とプラスチック材料の線膨張率差 |
| 二次加工 | ・溶着、機械締結、機械加工などの際に生じる熱や力 |
色々な原因が複合的に絡むので対策は容易ではなく、設計段階から考慮しておくことが不可欠である。
製品設計、金型設計、成形条件でも対応できない場合、アニールにより残留応力を緩和させることが行われる。アニールはプラスチックの粘弾性特性を積極的に利用したものである。
<関連記事>
「プラスチックの応力緩和」
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【参考文献】
※1 JIS Z2300 「非破壊試験用語」
高野菊雄 『プラスチック材料の選び方・使い方』 工業調査会
本間精一 『プラスチック材料大全』 日刊工業新聞社
最終更新 2018年5月25日
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