プラスチック材料の性能の決まり方(4) 仕様書の内容

材料の構成は材料メーカー⇒コンパウンドメーカー⇒成形加工メーカーというプロセスを経て、最終的に決定するということを前回までに説明しました。しかし、実際にどのように設計者(設計企業)からパートナーである成形加工メーカーに伝えればよいのか、イメージが沸かないという方もいらっしゃるかもしれません。

 

そこで今回は、材料の構成が一部非開示である成形加工メーカに対して、設計者(設計企業が)が仕様書に書く内容の一例を示してみたいと思います。

 

 

項目 内容 試験法/規格/注意点 他
材料

原料
(仕様)

PP(ポリプロピレン)

株式会社プライムポリマー
プライムポリプロ J707G

酸化防止剤
(性能)

酸化防止剤を使用する場合は、フェノール系とする
品番:非開示
配合量:非開示
・耐熱試験において、80℃100h後の引張降伏応力の低下が20%以下であること
・物性評価試験要領書(別紙)

紫外線吸収剤/光安定剤
(性能)

品番:非開示
配合量:非開示
・耐候性試験において、サンシャインウェザーメーター100h後の引張降伏応力の低下が10%であること
・物性評価試験要領書(別紙)

再生材
(性能)

配合量:0~10%(重量) ・当該製品の再生材のみ使用可
・異物の混入には十分注意すること
離型剤
(性能)
外部離型剤:使用不可
内部離型剤:使用する場合は当社の承諾を得ること
・離型剤の影響により接着性能低下が懸念される

充填材
(性能)

炭酸カルシウム
品番:非開示
配合量:5~10%(重量)
物性

密度
(性能)

850~950kg/m3

JIS K7112

※測定部位は別紙のA部とする
※測定は23±2℃で実施すること

引張弾性率
(性能)

1100~1400MPa

JIS K7161

※測定部位は別紙のA部とする
※測定は23±2℃で実施すること

引張降伏応力
(性能)

25MPa以上

JIS K7161

※測定部位は別紙のA部とする
※測定は23±2℃で実施すること

外観

異物
(性能)

外観部A面:0.2mm2以下
外観部B面:0.5mm2以下

・きょう雑物測定図表
・外観検査基準書

色調
(性能)

DIC-F27(ホワイト)
ΔE≦2(限度見本と比較)

・貴社保有色差計(コニカミノルタ CR-5)で測定すること
・限度見本管理No.AA-1
・外観検査基準書

その他の外観不良
(性能)
外観部A面において下記のような不具合が目立たないこと
白化/ブツ/凹み/スジ/傷/色調ムラ/ヒケ/気泡
・必要に応じて限度見本を取り交わして管理する
・外観検査基準書
汚れ
(機能)
著しい汚れがないこと ・保管中の静電気による埃等の付着に注意すること

 

 

 上記のように成形加工メーカーや自社の事情に合わせて、機能、性能、仕様を使い分けながら記載していきます。材料の構成が非開示であっても、自社に必要な機能や性能をしっかり成形加工メーカーに伝えておけば、成形加工メーカーとしても、材料の構成を極端に変更することはできません。一方で、完全に「仕様」で規定していないため、成形加工メーカーの生産における改善余地も残しています。
 

スポンサードリンク

 
 
 
 
最終更新 2016年5月30日
 
 

 

 

 

<設計者のためのプラスチック製品設計>

 

 

更新日:

Copyright© 製品設計知識 , 2017 All Rights Reserved Powered by AFFINGER4.