材料の構成は材料メーカー⇒コンパウンドメーカー⇒成形加工メーカーというプロセスを経て、最終的に決定するということを前回までに説明しました。しかし、実際にどのように設計者(設計企業)からパートナーである成形加工メーカーに伝えればよいのか、イメージが沸かないという方もいらっしゃるかもしれません。
そこで今回は、材料の構成が一部非開示である成形加工メーカに対して、設計者(設計企業が)が仕様書に書く内容の一例を示してみたいと思います。
項目 | 内容 | 試験法/規格/注意点 他 |
材料 | ||
原料 |
PP(ポリプロピレン) 株式会社プライムポリマー |
- |
酸化防止剤 |
酸化防止剤を使用する場合は、フェノール系とする 品番:非開示 配合量:非開示 |
・耐熱試験において、80℃100h後の引張降伏応力の低下が20%以下であること ・物性評価試験要領書(別紙) |
紫外線吸収剤/光安定剤 |
品番:非開示 配合量:非開示 |
・耐候性試験において、サンシャインウェザーメーター100h後の引張降伏応力の低下が10%であること ・物性評価試験要領書(別紙) |
再生材 |
配合量:0~10%(重量) | ・当該製品の再生材のみ使用可 ・異物の混入には十分注意すること |
離型剤 (性能) |
外部離型剤:使用不可 内部離型剤:使用する場合は当社の承諾を得ること |
・離型剤の影響により接着性能低下が懸念される |
充填材 |
炭酸カルシウム 品番:非開示 配合量:5~10%(重量) |
- |
物性 | ||
密度 |
850~950kg/m3 |
JIS K7112 ※測定部位は別紙のA部とする |
引張弾性率 |
1100~1400MPa |
JIS K7161 ※測定部位は別紙のA部とする |
引張降伏応力 |
25MPa以上 |
JIS K7161 ※測定部位は別紙のA部とする |
外観 | ||
異物 |
外観部A面:0.2mm2以下 外観部B面:0.5mm2以下 |
・きょう雑物測定図表 |
色調 |
DIC-F27(ホワイト) ΔE≦2(限度見本と比較) |
・貴社保有色差計(コニカミノルタ CR-5)で測定すること |
その他の外観不良 (性能) |
外観部A面において下記のような不具合が目立たないこと 白化/ブツ/凹み/スジ/傷/色調ムラ/ヒケ/気泡 |
・必要に応じて限度見本を取り交わして管理する ・外観検査基準書 |
汚れ (機能) |
著しい汚れがないこと | ・保管中の静電気による埃等の付着に注意すること |
スポンサードリンク
<設計者のためのプラスチック製品設計>