前回までにリスクアセスメントの進め方を解説しました。
前回までの記事
リスクアセスメントの進め方(①使われ方の想定)
リスクアセスメントの進め方(②危険源の特定)
リスクアセスメントの進め方(③リスクの見積り/評価(1))
リスクアセスメントの進め方(③リスクの見積り/評価(2))
今回からは実務においてリスクアセスメントを進める際のポイントを解説します。
私は会社員時代、10年近くに渡って毎日のようにリスクアセスメントを実施してきました。標準品だけでしか行われていなかったリスクアセスメントを、特注品で実施するために、設計プロセスをゼロから構築した経験もあります。また、現在技術コンサルタントとして、リスクアセスメントに関する指導・講演を行っています。
それらの経験からリスクアセスメントにはいくつかの問題があると感じています。以下に代表的な例を挙げてみます。
<リスクアセスメントの問題>
・設計者の負担が大きい
・形骸化している(やっても意味がないと設計者が感じている)
・品質部門や管理者のアリバイ作りとしての側面が大きくなっている
・効果的ではない
リスクアセスメント自体というよりも、その実施方法に問題があるケースがほとんどです。
また、最も大きな問題の一つはリスクアセスメントの形骸化です。形骸化する原因には設計者の負担の大きさ、実施方法のまずさ、管理者の意識など様々なものがあります。重大な製品事故がめったに発生しないことも、設計者や管理者の意識を下げる原因になります。
リスクアセスメントを形骸化させずに、いかに効果的に実施するか。そのためのポイントとして、以下の4つを解説していきます。
①設計プロセスの中に組み込む
②メリハリをつける
③設計者の意識を高く保つ取組みを継続的に実施する
④リスクのチェック・レビュー・承認をいつ誰が行うかを明確にする
次回より1つずつ解説していきます。
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次へ ポイント①設計プロセスの中に組み込む
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最終更新 2016年8月18日
【リスクアセスメント記事一覧】
・リスクアセスメントの必要性
・リスクアセスメントの進め方(①使われ方の想定)
・リスクアセスメントの進め方(②危険源の特定)
・リスクアセスメントの進め方(③リスクの見積り/評価(1))
・リスクアセスメントの進め方(③リスクの見積り/評価(2))
・実務におけるリスクアセスメント実施のポイント
・ポイント①設計プロセスの中に組み込む(1)
・ポイント①設計プロセスの中に組み込む(2)
・ポイント②メリハリをつける
・ポイント③設計者の意識を高く保つ取組みを継続的に実施する
・ポイント④リスクのチェック・レビュー・承認をいつ誰が行うかを明確にする