断面形状に関して、曲げ応力の生じにくさを表す係数のこと。断面係数が大きいほど曲げ応力は発生しにくい。
下図の式①、②に示すように、はり断面に生じる最大曲げ応力は、曲げモーメントと断面係数で計算することができる。曲げモーメントが同じであれば、断面係数が2倍になれば、曲げ応力は半分になる。
また、断面係数は断面二次モーメントIを中立軸から端面までの距離eで割ることによって求められるので、曲げ応力σは式①、②のようにI、eを使って表すこともできる。これらの式から、中立軸を挟んで両端に生じる曲げ応力は、eが大きいほど大きくなることが分かる。
中立軸は断面形状の重心(図心)を通る線であるため、三角形のような形状は中立軸に関して対称ではない。この場合、e1、e2は異なった値となり、発生する曲げ応力σ1、σ2の値も異なったものとなる。
中立軸に関して対称な形状の例として、長方形断面の断面係数を下図に示す。断面二次モーメントと同様に幅方向を大きくするよりも、高さ方向を大きくした方が効果的であることが分かる。
中立軸に関して非対称な形状の例として、三角形断面の断面係数と下図に示す。e2はe1の2倍なので、頂点部分に生じる曲げ応力は底辺部分に生じる曲げ応力の2倍になることが分かる。
下記ページで代表的な形状の断面係数を計算できる。
断面二次モーメント・断面係数の計算ツール
最終更新 2019年6月12日
【参考文献】
日本機械学会(編) 『機械工学便覧 基礎編 材料力学』
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