製品や機械に潜んでいる危険源(ハザード)をリスト化したもの。ISO12100、EC(欧州委員会)消費生活用製品のリスクアセスメントガイドラインにおいて例示されている。製品設計において製品事故を起こさないために、またリスクアセスメントを行う際の危険源(ハザード)の同定に活用できる。
【例】ISO12100:2010付属書Bによる危険源リスト
危険源(ハザード) | 原因 |
機械的危険源 |
加速度、減速度、角張った部分、固定部分への可動要素の接近、切断部分、弾性要素、落下物、重力、床面からの高さ、高圧、不安定、運動エネルギ、機械の可動性、可動要素、回転要素、粗い・滑りやすい表面、鋭利な端部、蓄積エネルギ、真空 |
電気的危険源 |
アーク、電磁気現象、静電現象、充電部、高圧下の充電部に対する距離の不足、過負荷、不具合(障害)条件下で充電状態になる部分、短絡、熱放射 |
熱的危険源 |
爆発、火炎、極端な温度の物体又は材料、熱源からの放射 |
騒音による危険源 | キャビテーション、排気システム、高速でのガス漏れ、製造工程(打ち抜き,切断など)、可動部分、表面のこすれ・ひっかき、バランスの悪い回転部品、音の出る空圧装置、部品の劣化・摩耗 |
振動による危険源 | キャビテーション、可動部分の調整ミス、移動式装置、表面のこすれ・ひっかき、バランスの悪い回転部品、振動する装置、部品の劣化・摩耗 |
放射による危険源 | 電離放射源、低周波電磁放射、光放射(赤外線,可視及び紫外線)、レーザ、無線周波数帯電磁放射 |
材料及び物質による危険源 | エアゾール、生物学的及び微生物学的(ウイルス又は細菌)な作用物質、可燃性、ほこり、爆発性、繊維、引火性、流体、ヒューム、ガス、ミスト、酸化剤 |
人間工学原則の無視による危険源 | 接近指示器及び視覚表示ユニットの設計又は位置、制御装置の設計、位置又は識別、努力(身体的)、明滅、まぶしさ、影及びストロボ効果、局部照明、精神的過負荷/負荷不足、姿勢、反復動作、視認性 |
機械が使用される環境に関連する危険源 | ほこり及び霧、電磁妨害、雷、湿度、汚染、雪、温度、水、風、酸素不足 |
危険源の組み合わせ | 例えば,反復動作+努力(身体的)+高温環境 |
※出典:ISO12100:2010付属書B
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【例】ECの消費生活用製品のリスクアセスメントガイドラインによる危険源リスト
危険源(ハザード) | 原因 |
サイズ・形状・表面 |
製品が障害物になる、製品が空気を通さない、製品が小さな部品を含んでいる、製品の小さな部品をかじり取るおそれ、鋭い角や先端、鋭い刃、滑りやすい表面、粗い表面、構成要素間の隙間または開口部 |
位置エネルギー |
機械的安定性の低さ、機械的強度の低さ、ユーザーが高所にいる、弾性要素またはバネ、加圧された液体もしく はガスまたは真空 |
運動エネルギー |
動いている製品、互いに逆方向に動く部品、互いに交叉して動く部品、回転部品、互いに接近した回転部品、加速、飛来する物体、振動、騒音 |
電気エネルギー | 高電圧/低電圧、発熱、近すぎる帯電部 |
極端な温度 | 裸火、高温の表面、高温の液体、高温の気温、低温の表面 |
放射線 | 紫外線、レーザー、高強度の電磁場発生源、低周波数また は高周波数(マイク ロ波) |
火災及び爆発 | 可燃性物質、爆発性混合物、発火源、過熱 |
毒性 | 毒性のある固体または液体、毒性のある気体・蒸気または塵、感作性物質、刺激性または腐食性 のある固体または液 体、刺激性または腐食性のある気体または蒸気、発ガン性・変異原性・ 生殖毒性(CMR)物質 |
微生物的汚染 | 微生物的汚染 |
製品操作上のハザード | 体に良くない姿勢、力の出しすぎ、解剖学的不適合性、人身保護を無視、不用意な起動(停止)、停止不良、予期せぬ始動、停止不能、取り付け不良の部品、防護機構の不備または不適切に取り付けられた防護機構、不十分な警告文および警告記号、不十分な警告信号 |
※出典:消費生活用製品向けリスクアセスメントのハンドブック第一版(経済産業省)
※これらのリストがすべての危険源(ハザード)を網羅しているわけではない。
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最終更新 2015年10月15日