2050年には海中のプラスチックごみの重さが魚の重さよりも大きくなる

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今年の1月に世界経済フォーラムが出したレポートによると、「2050年には海中のプラスチックゴミの重さが魚の重さよりも大きくなる」とのこと。

 

The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics

出所:世界経済フォーラムレポート  『The New Plastics Economy Rethinking the future of plastics』

http://www.weforum.org/reports/the-new-plastics-economy-rethinking-the-future-of-plastics

 

 

海に行くと海岸に大量の漂着ゴミが打ち上げられているのをよく見ます。下の写真は山口県の日本海側にある角島(角島大橋で有名)の海岸に落ちていた韓国からの漂着ゴミです。

 

漂着ゴミ

【角島(山口県)の海岸に流れ着いた韓国からの漂着ゴミ】 (2015年5月撮影)

 

海洋に流出したプラスチックは、紫外線による劣化などでバラバラの破片になっていきます。その破片のことをマイクロプラスチックと呼び、魚などが食べることにより生態系への影響が心配されています。人間に対してどのような影響があるかは、まだ十分に分かっていないようですが、将来的に大きな問題になっていく可能性があります。予防原則という考え方もあるので、人間への悪影響が不明の段階でも、何らかの規制が作られる可能性もあります。

 

 

マイクロプラスチックを減らすためには、以下のような方法が考えられます。

 

①プラスチックの使用量を削減
②プラスチックゴミの回収率を向上させ海洋への流出を削減
③海洋に流出したプラスチックゴミを回収
④生分解性のプラスチックを使用

 

 

①の使用量の削減については、日本を含む先進国では一人あたりの使用量は既に頭打ちになっていますが、新興国は今後も急激に伸びることが予想されます(※1)。プラスチックは低コストで製品を作れることや、軽量化による省エネ効果も期待できることから、今後もその需要が小さくなることは考えられないでしょう。実際、航空機や自動車などは金属やガラスを樹脂で代替するための技術開発が非常にさかんです。世界全体で考えた場合、使用量自体を削減することは現実的ではありません。

 

②の回収率を上げるには、人々の環境意識の向上と回収コストのねん出が不可欠なので、特に新興国においては十分な回収率を確保することは難しいでしょう。

 

③の流出したプラスチックゴミの回収は、海の広大さを考えるとコスト的に成り立つ可能性がほとんどないと思います。

 

そういう意味で、④の生分解性プラスチックが今後もっと注目されるようになるのではないでしょうか。現在でも生分解性プラスチックを使用した商品が多数販売されていますが、コストや性能の問題で、まだまだ広く普及しているとは言えません。長期的な耐久性と生分解性能はトレードオフでもあるので、技術的なハードルも非常に高いのだと思います。

 

しかし、今回のレポートのような内容が広く社会に知れ渡たり、マイクロプラスチックの影響を懸念する声が高まってくれば、何らかの規制を求める声が強まってくるかもしれません。環境意識が高く、規制や国際規格を利用したビジネスがうまい欧米を起点に、彼らに有利な国際ルールが作られる可能性もあります。そういう意味で生分解性プラスチックは注目すべき材料だと思います。

 

 

<実際に販売されている生分解性プラスチックを使用した商品>

生分解性BB弾 (出所:株式会社東京マルイHP)

生分解性BB弾
(出所:株式会社東京マルイHP)

生分解性ゴミ袋(株式会社期ラックス製) (出所:エクスパッケージ)

生分解性ゴミ袋(株式会社キラックス製)
(出所:エクスパッケージ)

プラスチックカッター (出所:信越ポリマー)

プラスチックカッター
(出所:信越ポリマー)

 

 

<参考資料>
※1 日本プラスチック工業連盟HP 「一人当たりプラスチック消費量」

 




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