設計者のための読書法

投稿日:2016年11月24日 更新日:

技術の進歩についていくため、あるいは教養を身に着けるためなど、設計者は常に学び続けることが求められます。学ぶ方法は様々なものがありますが、大雑把にいうと人に教えてもらうか本を読む(雑誌、論文含む)かの二つしかありません。

 

人に教えてもらうためには、相手の時間を借りなければならないですし、身近に教えてくれる人がいなければなりません。そのため、人に教えてもらうことには、おのずと限界があります。そう意味で本を読むことは、設計者(だけではありませんが)が学ぶためには、必要不可欠なものだと言えるでしょう。

 

しかし、読書の習慣を持っている人は、それほど多くないというのが実情のようです。以下のグラフは日本人の1か月あたりの読書数です(文化庁調べ)。1か月に1冊も読まない人が約半数に上ります。

 

 

読書冊数

出所:「平成25年度 国語に関する世論調査」(文化庁)
(調査対象:全国16歳以上の男女)

 

 

設計者は仕事の関係上、もう少し読んでいるのではないかと予想しますが、それでも読書をするということに対して、ハードルが高いと感じている人は多いかもしれません。読書数が少ない人の中には、そもそも読書をしたいとは思っていない人と、もっと読書をしたいけれどできない人の2パターンがあると思います。

 

たくさん本を読みたいけれど読めない理由はいろいろとあるかもしれませんが、おそらく読書する時間とお金の問題があるのではないでしょうか。使える時間やお金がないわけではないけれども、優先順位が低いのだと思います。

 

私は元々読書をするのが好きでしたが、独立してからはたくさんのインプットがないと仕事にならないので、さらに多くの読書をするようになりました。今は平均20冊/月程度の本を読みます。読書に多くの時間を使っていると、もっと効率的に本を読めないか、また、もう少し出費を減らせないかと感じるようになり、いろいろと工夫するようになりました。今回は私が実施している読書の工夫の中から、いくつか紹介したいと思います。

 

 

 

①電子書籍


私はamazonの電子書籍(kindle/アプリ)を使用していますが、隙間時間を活用した読書に最適の仕組みだと感じています。amazonで購入した電子書籍は、アプリを入れられるあらゆる端末で読むことができます。私がアプリをインストールしている端末は、デスクトップPC、ノートPC、kindle(amazonの端末)、タブレット、スマートフォンです。しかも、wi-fiが飛んでいる所であれば、すべての端末を同期させることができます。

 

例えば自宅でkindleを使ってある本を読んでいたとします。外出して電車の中でアプリを立ち上げその本を開くと、kindleで読み終わったところからスタートさせることができるのです。一日の隙間時間を集めれば、かなりの時間になります。時間がなくて読書ができないという人も、隙間時間で週2冊ぐらいは読めるのではないでしょうか。

 

 

kindle

出所:amazon

 

 

kindleにはメモ機能もついていますので、気になるところはメモしておいて、後で詳しく調べることも簡単です。また、大画面のPCで電子書籍を読むと、メモしておきたいページや図表などをハードコピーして保存しておくことが容易です。紙の本ではスキャンするしかないので、それに比べると圧倒的に効率的です。また、amazonが始めた読み放題サービス(kindle Unlimited)では、わずかな金額(月額980円)でたくさんの本や雑誌が読めます。私が最近に読む本は、電子書籍の比率がかなり高くなっています。

 

 

 

 

②オーディオブック


紙媒体や電子書籍として出版されている本を音声化し、それを聴くことができるサービスです。今まで本を読むのは不可能だった隙間時間を、読書タイムに変えることができます。例えば車の運転中、満員電車の中、ウォーキング中などです。

 

 

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オーディブル(amazon)

 

 

私はこれまでいくつかのオーディオブックサービスを使ってきましたが、今はamazonのオーディブルを使用しています。amazonのオーディブルは月額1,500円で聞き放題です。書籍1冊分ぐらいの金額ですので、非常にリーズナブルだと思います。タイトル数がまだまだ少ないので、これから充実させてほしいです。オーディブルもkindle同様、様々な端末で使用することが可能です。また、何といっても便利なのが、再生スピードを0.5~3倍速まで自由に変えられることです。一冊の本を通常の速さで聴くと、3~4時間程度かかってしまいますが、3倍速であれば1時間程度で「読了」することができます。

 

 

 

 

③図書館インターネット貸出サービス


本を購入する費用が読書のハードルになっているケースもあるかもしれません。また、買う価値があるかどうか迷っているような本もあるでしょう。そのような時は、図書館のインターネット予約・貸出サービスが便利です。私の住んでいる福岡市では、市内全域の図書館の蔵書から借りたい本をインターネットで予約することができます。予約した本は最寄りの図書館に無料で転送してくれます。私はほとんどの本をamazonで購入しますが、本の内容によっては購入するかどうか迷うことがあります。そのような場合に図書館のサービスを利用しています。一般的な本であれば、1~2日で到着しますので、スピード感も問題ありません。皆さんが住んでいる自治体のサービスを調べてみましょう。

 

 

福岡市図書館

インターネット蔵書検索・予約サービス(福岡市)

 

 

 

④Googleブックス


調べたいことが決まっている場合は、Googleブックスが非常に便利です。Googleブックスでキーワード検索し、本の内容の一部が公開されている本を調べることができます。【Googleブックス⇒キーワード検索⇒ツール⇒すべての書籍⇒プレビュー利用可能】にすることにより、内容が公開されている本に限定して調べることができます。複数の本に書かれているような一般的な事象であれば、Googleブックスだけで調査が完了することもよくあります。

 

 

Googleブックス

 

 

 

インターネットは日本人の読書量を減らす方向に働いているようですが、読書をもっとしたい人にとっては、非常に便利な仕組みです。皆さんもどんどん活用して、たくさんの本を読んで頂けたらと思います。

 

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