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メルマガ「製品設計知識」2024年9月3日号
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田口技術士事務所 代表の田口です。
設計業務における生成AI活用への関心が高まっているようです。私は何度かこのテーマに関する講演をやってきましたが、最近、受講される方が大きく増えています。
※9/25にビジネス+ITのwebセミナーで講演します。
生成AIはアイデア次第で様々なことに活用できます。あまりにもいろいろなことができるため、何から手をつければよいかわからないという方も多いようです。
設計業務で生成AIを活用するには、まず自社・自部門の課題や問題点、優先順位などを明確にします。その上で、生成AIが最も有効な手段になるテーマで活用することが重要だと考えます。解決手段は生成AIだけではないですし、効果があまりないテーマで生成AIを使ったところで、自社の競争力は上がらないからです。
生成AIはアイデア次第で様々な場面で活用できますが、設計業務においてはスプレッドシート(表計算ソフト)との相性が抜群です。生成AIにより設計業務自体が自動化できるわけではありませんが、設計者の気づきを促してくれる、優秀なアドバイザー(レビュアー)になってくれます。今回は生成AIの活用法の中でも、スプレッドシートを使う方法を紹介します。
<生成AIをスプレッドシートで使うアイデア>
スプレッドシート内で生成AIを使うには、使用する生成AI(ChatGPTやGeminiなど)に応じたアドインを導入します。アドインを利用するためには、APIキーが必要になります。少し専門的な知識が必要になりますが、本メルマガの主旨からずれるので、詳細な説明は省きます。ここではスプレッドシートで生成AIが使用できる状態にあることを前提に説明していきます。
スプレッドシートで生成AIを使うには、プロンプトにあたる質問文を準備します。そのプロンプトをスプレッドシート内で生成AIに読み込ませ、スプレッドシート内の指定箇所に回答を生成させます。
実際の使い方を動画にしています。
⇒考えられる不具合やその原因などを自動で提示させる。FMEAでは項目が増えてくると抜け漏れが発生しやすくなる。スプレッドシートに組み込んでおくことにより、抜け漏れへの気づきを促す。
⇒製品の使われ方、特に予見可能な誤使用に抽出漏れがあると、大きなトラブルになることがある。それを予防するためのスプレッドシート。
⇒リスクアセスメントを実施する際には、製品のハザード(危険源)を明確にする必要がある。それを支援してくれるスプレッドシート。
⇒代表的な安全設計手法を提示することにより、現行の設計をより安全にするための気づきを促すスプレッドシート。
設計業務ではスプレッドシートを使う場面が非常に多いはずです。論理的かつ抜け漏れのない情報整理に向いているからです。したがってスプレッドシートに生成AIを組み込めば、設計者の気づき支援などに大きく貢献してくれます。
ぜひ、いろいろなケースで使ってみてください。
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毎年、多くの企業様で技術研修の講師を担当しています。ある程度の人数が揃えば、研修会社より低コストで対応可能です。
<対応可能な技術研修の例>
・プラスチック関連(材料、成形、二次加工、設計、仕様書 他)
・機械材料の基礎知識
・強度設計/材料力学の基本
・設計品質(再発防止・未然防止、FMEA、FTA、リスクアセスメント)
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ぜひ、お気軽にご相談ください。