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メルマガ「製品設計知識」2024年4月18日号
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田口技術士事務所 代表の田口です。今回は未然防止活動について述べたいと思います。
<負のスパイラルを抜け出すには未然防止活動が必要>
仕事柄いろいろな業種の設計部門、品質部門の方と一緒にお仕事をしています。抱えている課題は各企業により様々ですが、多くの企業に共通しているのが「負のスパイラル」からの脱出という課題です。
以下は設計部門における典型的な負のスパイラルの例です。
https://seihin-sekkei.com/wp-content/uploads/2024/04/negative_spiral.png
私の以前の職場(設計部門)がまさにこの状況でしたし、現在お付き合いのある企業の多くも同じような状況です。
基本的にどんな企業においても、設計部門はだいたい多忙です。多忙であるため、顧客要求と社内規格を満たす設計を実施することだけで精一杯となり、FMEAやFTAなどの未然防止活動をやる余裕がありません。未然防止活動をやらないと、どうしても設計段階でのミスが増えるため、品質問題が発生します。
品質問題が発生すると、その製品に最も詳しい設計者が問題解決に動員されます。設計者が問題解決に動員されると、その設計者の仕事を他の誰かがやらないといけないため、設計部門は人員不足に陥ります。人員不足になると、さらに設計部門の全員が忙しくなり、未然防止活動どころではなくなります。そうすると、再び品質問題が発生し・・・・という形で負のスパイラルに陥るのです。
皆さんの組織は、このような状況になっていないでしょうか。負のスパイラルから抜け出すには、どこかを断ち切る必要があります。設計者の増員や品質問題を設計者なしで対応することは、通常、容易ではありません。負のスパイラルを断ち切るには未然防止活動をやるしかないと私は考えます。余裕がないからやれないということを理由にしていると、いつになってもこの負のスパイラルから抜け出すことはできないでしょう。
設計者がこのように余裕のない状態だと、競争力のある製品はいつになっても生まれません。競争力を強化するためには、未然防止活動という「投資」が必要になるのです。
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