製造業における最も基本的なフレームワークのひとつ。QはQuality(品質、機能、性能など)、CはCost(原価、投資、価格など)、Dは Delivery(納期、設計期間など)を表す。製品設計の業務の多くがQCDでうまく整理できるため、抜け漏れをなくすためよく利用されている。品質を向上させようと思うとコストが上昇してしまうように、QCDは多くの場合トレードオフの関係にある。製品設計者はQCDのそれぞれの目標値を定め、トレードオフの関係になった場合の優先順位を明確にしながら、バランスを取って設計を進めていくことが大切である。
【事例】部品同士のの接合方法比較
内容 |
Q |
C (原価、投資、価格) |
D (納期、設計 期間) |
|
A案 | 瞬間接着剤 (手作業) |
・初期接合力は十分 ・衝撃に弱い ・製造起因による接合力のバラツキが発生しやすい ・接着剤はみ出しのリスクあり(外観不良) |
・原価(15円/セット) ・設備投資不要 |
・生産量が増えた場合は人員増で対応できる ・接合力評価に1か月必要 |
B案 | 超音波溶着 | ・接合力十分 ・接合力のバラツキ少ない ・部品表面にホーン跡が残るリスクあり(外観不良) |
・原価(10円/セット) ・設備投資300万円 |
・生産量が増えた場合は人員増で対応できない ・接合力はデータが揃っているため、評価不要 |
C案 | ネジ固定 | ・接合力十分 ・外観にネジが見える |
・原価(20円/セット) ・設備投資不要 |
・生産量が増えた場合は人員増で対応できる ・接合力はデータが揃っているため、評価不要 |
QCDプラスアルファとして以下のような使い方をすることもある。
・QCD+S(サービス、安全)
・QCD+M(モラル)
・QCD+E(環境)
・QCD+F(柔軟性)
スポンサードリンク
最終更新 2015年10月9日