プラスチック製品の強度設計と強度トラブル防止のポイント
日時 2021年10月8日(金) 10:30~17:30
会場 Webセミナー
主催 株式会社日本テクノセンター
講師 田口技術士事務所 代表 田口宏之
日本テクノセンター様主催のセミナーに登壇します。
<概要>
プラスチックは様々な形状や特性を効率的に付与することができるため、設計者にとって非常に魅力的な材料です。そのため、身の回りの多くの製品にプラスチックが利用されています。近年の高い環境要求に応えるために、金属材料をプラスチックに代替し、軽量化を図る動きも非常に活発です。一方、不適切な設計が原因で、プラスチック製品のトラブルが数多く発生しています。特に強度に関わるトラブルは、重大事故につながるリスクがあり、事前にしっかりとした検討を行うことが不可欠です。
しかし、プラスチック製品の強度設計は思ったほど簡単ではありません。材料力学の知識に加えて、材料特性や成形・加工の影響に関する知識、製品設計上の実務的ノウハウなど、幅広い知識・ノウハウが要求されます。金属材料と同じような設計をしていてはトラブルを防ぐことは困難なのです。
本セミナーは、数多くのプラスチック製品の設計を手掛けてきた講師が担当します。実務で活用できることを前提に、多くの事例を紹介しながら丁寧に解説していきます。
セミナープログラム
①プラスチック製品の強度トラブル事例を考える
1.1 強度トラブルの主な原因
1.2 実際のトラブル事例
1-2-1 衝撃強度不足
1-2-2 劣化
1-2-3 クリープ
1-2-4 ソルベントクラック 他
②プラスチック製品の強度設計に必要な材料力学の基礎知識
2.1 荷重/応力/ひずみ
2.2 フックの法則とヤング率
2-2-1 フックの法則
2-2-2 主なプラスチックのヤング率
2.3 引張荷重/圧縮荷重
2.4 曲げ荷重
2-4-1 はりの種類
2-4-2 曲げモーメント
2-4-3 断面係数と発生応力
2-4-4 断面二次モーメントとたわみ
2.5 応力集中
2-5-1 応力集中係数
2-5-2 【強度設計事例】スナップフィットの応力集中の評価
③強度設計において考慮すべきプラスチック材料の特性
3.1 プラスチック材料の特徴
3-1-1 プラスチックの構造
3-1-2 熱硬化性プラスチックと熱可塑性プラスチック
3-1-3 結晶性プラスチックと非晶性プラスチック
3.2 プラスチックの材料特性とその評価
3-2-1 応力-ひずみ曲線でわかる材料特性
3-2-2 引張特性
3-2-3 曲げ特性
3-2-4 金属材料との違い
3-2-5 材料特性の決定プロセス
3-2-6 ストレス-ストレングスモデル
3.3 粘弾性特性
3-3-1 力学モデル
3-3-2 クリープ
3-3-3 応力緩和
3.4 疲労
3.5 劣化
3-5-1 様々な劣化要因(熱/水分/紫外線/その他)
3-5-2 アレニウスの式を使った寿命の推定
3-5-3 RTI(相対温度指数)
3.6 成形・加工条件による強度への影響と対策
3-6-1 成形条件による強度低下
3-6-2 再生材料を使用する際の注意点
3-6-3 ソルベントクラックとその対策
④実務における強度設計の進め方と事例
4.1 プラスチック製品の安全率をどう考えるか
4.2 トラブルを未然に防ぐ図面、仕様書の書き方
4.3 【強度設計事例】プラスチック製Lアングルの設計