製品事故や不具合を未然に防ぐ
安全を考慮した製品設計の進め方
日時 2016年7月26日(火) 10:00~17:00
会場 大阪府工業協会研修室(本町セントラルビル)
主催 大阪府工業協会
本セミナーは好評のうちに終了しました。
<受講者様の声(抜粋)>
・設計プロセスの考え方を実務に取り入れたい。
・3ステップメソッドの考え方はとても役に立つ。
・(セミナーで学んだ)設計手順を業務でやってみたい。
大阪府工業協会様主催のセミナーに登壇します。
申し込み(大阪府工業協会様ホームページ)
申し込み(案内書)
<概要>
製品設計において「安全」の検証は必須です。ユーザーの安全に対する見る目は大変厳しくなっており、もし事故やリコールが発生したら大問題となります。しかし、実際のところ、どのように安全を考慮して設計すればよいか分からない技術者も多いことでしょう。
そこでこの研修では、製品安全に関する基礎知識と設計プロセスで安全を作り込む手法を分かりやすく解説します。この機会に安全に対する「感度」と設計スキルを磨いてください。
セミナープログラム
❶製品設計に潜在するリスク
(1)製品設計の3大リスク
①製品事故 ②法律違反(各種法律違反、知的財産権の侵害) ③クレーム(特にブランド価値毀損/不正)
(2)過去のリコール事例から安全に関する感度を磨く
【事例】樹脂製踏み台の破損 ⇒ 高所から踏み台に飛び降りることを想定しているか
❷製品安全の基礎知識
(1)製品安全に関する7つのキーワード
①製品事故 ②欠陥 ③予見可能な誤使用 ④安全
⑤リスク ⑥危害の程度と発生頻度 ⑦R-MAP
(2)安全な製品とは許容できる程度にリスクが低い製品である
(3)製品安全を考慮した設計手法とは
❸安全な製品を設計するための手法
(1)3ステップメソッド ⇒ リスクを低減するための考え方
①本質的安全設計・・・危険源自体を除去するか、リスクを低減する
②保護手段・・・保護カバーやセンサーでリスクを低減する
③使用上の情報・・・警告ラベル等で注意喚起を行う
(2)リスクアセスメントによる分析、評価
①意図される使用・・・予見可能な誤使用の明確化
②危険源の特定(同定)
③リスクの見積り/評価
(3)フェールセーフ設計<故障することを前提に設計する>
【事例】エレベーター ⇒ ワイヤーロープが切れても落下を防ぐ機構
(4)フールプルーフ設計<誤った使い方でも危険が生じない、使用できない設計に>
【事例】水栓のロック ⇒ 誤って高温のお湯が出ない機構
(5)警告表示から読み取る残留リスク
【事例】電子レンジ ⇒ 隙間から針金などを入れることをまで想定しているか
❹設計プロセスで「安全」を作り込むテクニック
(1)安全な製品を設計するためには情報の入手が不可欠
⇒ 商品企画書や法規制、類似品不具合情報などを入手しておく
(2)設計手順の明確化
⇒ 必要最低限の手順をマニュアル化することにより、全員で理解できるようにする
(3)設計ツールの活用(要求仕様書と簡易FMEA)
(4)安全設計の実践への展開
【演習】今回学んだことをもとに、安全を考慮して簡単なプラスチック製品を設計する
<コメント>
私は設計者10名弱の、特注品を設計する部門に所属していたことがあります。その部門では市場点検を伴うような品質問題(設計起因)を起こしました。それを二度と繰り返さないように、私が主担当として、設計プロセスの改革をやり遂げた経験があります。製品安全を確保するための方法論は、理論としては理解できても、実践での活用は難しいものが多いように思います。本セミナーでは、実践でも活用できるような考え方や手法を解説します。ぜひ中小企業や小規模な設計部隊の設計者、管理者の方は、受講して頂ければと思います。