日本工業出版 プラスチックスで「プラスチック製品の勘所」というテーマで連載を開始しました。第1回(2024年11月号)ではプラスチック製品の強度設計ついて解説しました。
第1回の冒頭部分を紹介します。
<はじめに>
私はプラスチック製品の設計を支援する立場として、プラスチック関連の書籍や専門誌、論文などを頻繁に参照している。これらの資料は化学構造や生産条件の話、あるいは非常に特殊な材料特性に関する情報が中心である。専門家にとって非常に有益な情報であることは間違いない。一方、それらの情報に製品設計に役立つものは非常に少ないというのが実情である。通常、製品設計に関する情報は企業の秘中の秘であり、重要なノウハウは厳格に管理されている。私自身も会社員時代や独立後に顧客から入手した機密情報を外部に公表することはない。そのため設計者は限られた情報の中で手探りの設計を進めざるを得ないことが多いといえる。
そこで、本連載では『プラスチック製品の○○設計』をテーマに、設計者をはじめ、プラスチックに携わる幅広い分野の方々に向けて、製品設計に関する情報を提供していきたいと考えている。もちろん、企業秘密をオープンにすることはできないが、可能な限り実務で役に立つ内容をお届けしたい。第1回目はプラスチック製品設計の最重要課題の1つである強度設計について解説する。
今後の予定記事
・12月号:プラスチック製品の軽量化設計
・1月号:プラスチック製品の耐熱設計
・2月号:プラスチック製品の耐久設計
・3月号:プラスチック製品の安全設計