プラスチック成形品 最適設計のポイント
~要求水準を満たす、不良を回避する設計とは?~
日時 2016年10月20日(木) 10:00~17:00
会場 大阪市中央区 大阪府工業協会研修室
主催 大阪府工業協会
本セミナーは好評のうちに終了しました。
<受講者様の声(抜粋)>
・プラスチックの詳しい内容が理解できた。
・(プラスチック設計の)品質確保の手段が参考になった。
・自社の業務改善につなげられる。
大阪府工業協会様主催のセミナーに登壇します。
申し込み(大阪府工業協会様ホームページ)
<概要>
プラスチックのメリットは複雑な形状でも加工しやすく、低コストであることです。その反面、強度が低い、使用環境により性能が変化するなどのデメリットもあり、これらを事前に抽出して対策を講じることが設計には必要です。そこで今回は、プラスチック成形に関する基礎知識から、要求水準を満たす、および不良を回避する最適設計の実践手法までを解説します。プラスチック特有の設計留意点や不良・クレームへの対処方法を学びたい方におすすめします。
セミナープログラム
❶プラスチック製品を設計するための基礎知識
(1)設計とは
⇒要求事項を製造できる形にまで落とし込むプロセス
(2)プラスチック製品設計に必要な技術分野
⇒材料、配合剤、成形法、二次加工 他
(3)材料を理解する:材料、配合剤
⇒材料の種類、および材料に新しい機能を付与する配合剤の知識
(4)成形方法を理解する:射出成形、押出成形、ブロー成形 他
⇒形状、製造コスト、量産数に応じた適切な成形方法の選択
(5)二次加工を理解する:メッキ、塗装、印刷、溶着、切削 他
⇒用途、使用環境、さらにデザイン性も考慮した二次加工方法の選択
❷プラスチックの特性を理解した最適設計
(1)製品に求められる要求事項の抽出(何を考慮しなければいけないのか)
・洗剤が付着しても壊れない ⇒ 薬品に強い材料選定
・食洗機で洗える ⇒ 使用環境による耐熱性
・落としても割れにくい
(2)要求事項を満足させる5つの検討ポイント
① 材料の検討
⇒材料のコストや物性強度、配合剤の使用などを考慮する
② 成形方法の検討
⇒生産量や製品サイズ、金型予算などを考慮する
③ 二次加工の検討
⇒使用目的、デザイン性などを考慮する
④ 製品形状の検討
⇒金型で成形できる形状、成形不良の回避などを考慮する
⇒要求水準にあった強度を確保できることを確認する
⑤ 図面・仕様書に記載すべき事項
⇒設計意図が加工者に正しく伝わることに留意する
(3)品質を確保する3つの手段
① 未然防止対策(FMEA、デザインレビュー)
② 再発防止対策(根本原因の追究)
③ 試作と評価(加速試験による性能の確認)
❸不具合事例に見る設計段階での留意点
(1)強度に関する不具合の事例と設計時の対策
① 劣化 ⇒ 加速試験の適切な実施と対策
② 熱変形 ⇒ 適切な材料、添加剤、形状の検討
③ ソルベントクラック(溶剤による亀裂の発生)への対策
(2)外観不良、成形不良の事例と設計時の対策
① 変色、色調・光沢不良、異物混入
② 離型性の不良、肉厚部分のヒケ
③ 成形時の反り、ショートショット、ウェルドライン 他