メルマガ「製品設計知識」2024年11月8日号

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メルマガ「製品設計知識」2024年11月8日号

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田口技術士事務所 代表の田口です。今回は設計・開発部門の生産性向上について考えてみたいと思います。

<設計・開発部門の生産性向上>

ニュースなどで、日本の生産性が低下しているという話をよく耳にするのではないでしょうか。確かにその通りですが、製造業に従事する方は、日本の製造業はまだまだ競争力があると考えている方も多いかもしれません。

しかし、日本の製造業の生産性はOECD加盟国中18位まで下落しています。2000年には1位だったことを考えると、非常に深刻な状況です。

日本生産性本部 労働生産性の国際比較2023 P18

生産性が低いと高い賃金を払えませんので、優秀な人材を採用できません。また、今後、日本の労働力不足はさらに深刻になっていきますが、賃金が低いと、国内からも国外からも誰も来てくれません。生産性を上げないと企業の将来は厳しいのです。

なぜこれほど生産性が低下しているのでしょうか。一つは、製造現場の能力だけでは競争に勝てなくなっていることが大きな要因だと考えられます。

かつて、日本の製造現場は「KAIZEN」という言葉が世界に広がるほど、高い能力を誇っていました。しかし、近年では製品のモジュール化や自動生産設備の導入が進み、現場の能力の差による品質の差が以前より小さくなっているのが実情です。

では、これからの製造業はどうすれば良いのでしょうか?

一つの方向性としては、設計・開発部門の生産性向上に力を入れることです。

スマイルカーブからもわかるように、事業プロセスの上流である設計・開発は、付加価値の源泉です。製品の品質やコストの80%は設計段階で決まるとも言われています。製造現場の努力はこれからも必要ですが、それ以上に設計・開発の生産性向上が企業の将来を左右します。

設計・開発の生産性を向上させるためには、以下の3つのポイントが重要だと考えています。

①定型化・標準化・共通化による工数削減
②デジタル技術の徹底的な活用による工数削減
③付加価値が大きく利益を出せる製品・サービスの創出

つまり、付加価値が低い業務を徹底的に効率化し(①、②)、余った経営資源を付加価値の高い製品・サービスの創出(③)に向けるということです。

施策としてはいろいろと考えられますので、今後のメルマガでも発信していきたいと思います。

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