製品の使われ方の分類

製品のどのような使い方まで安全性と安全性以外の性能を確保するのかを明確にするためのフレームワーク。製品設計の初期段階に必要な検討事項である。

【事例】製品(樹脂製踏み台)の使われ方の分類

 分類 説明 製品の使われ方の例
意図される使用 ・安全性も安全性以外の性能も確保する ・成人男性が片足で静かに踏み台に乗る
予見可能な誤使用

・安全性は確保する
・安全性以外の性能は、確保するものと確保しないものの両方が存在し得る(設計段階で決定する)

・成人男性が座面より30㎝高い所から飛び降りて踏み台に乗る
異常使用 ・安全性は注意喚起のみで確保する
・安全性以外の性能は確保しない
・成人男性が座面より50㎝高い所から飛び降りて踏み台に乗る
無謀使用 ・安全性は確保しない
・安全性以外の性能は確保しない
・成人男性が二人同時に座面より高い所から飛び降りて踏み台に乗る

※法的に求められているのは「意図される使用」および「予見可能な誤使用」の範囲まで安全性を確保することのみである(製造物責任法)。「異常使用」「無謀使用」の定義やどのような使われ方まで安全性以外の性能を確保するべきかについては明確な決まりはなく、各設計者、各企業で決定すべき事項である。「異常使用」は注意喚起を実施、「無謀使用」は注意喚起も実施しないという分類の仕方が実務上は便利である。

 

misuse

※樹脂製踏み台にキャンピングカーの車内から飛び降りることにより、製品が破損し怪我をするという製品事故が実際に発生している。この樹脂製踏み台は事故が原因でリコールとなっている。製品の使われ方の検討が不十分だった可能性がある。

 

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最終更新 2015年11月17日

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投稿日:2015年10月13日 更新日:

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