製品事故について

投稿日:2015年5月14日 更新日:

 製品設計者として考えておかなければならない最も優先度が高いことの一つに、製品の安全確保があると思います。製品設計者は短い設計期間の中で、コストや品質など多くの要求を満足させなければならず、意図せずとも安全性に問題のある製品を設計してしまうリスクを背負っています。使用者を傷つけてしまうような製品事故を起こしてしまうと、リコールへの発展の可能性もあり、所属する企業のブランド価値欠損や経営責任追及といった事態も十分考えられます。

 

まずはどんな製品で事故が多いのかを知っておくことは、自分の業務に優先順位をつける意味でも大切なことだと思います。下表はnite(製品評価技術基盤機構)の資料です。

 

 

table

 

出典 nite 平成25年度事故情報収集調査結果について

 

 

製品設計者なら直感的に分かると思いますが、やはり事故が多い製品は燃焼器具、電気製品といった高いエネルギーを持った製品がほとんどです。平成25年の件数トップの「乳母車」は同一メーカー品で、アームレストが破損した事象です。子供向けの製品は事故が起こると社会的にも注目を浴びやすく、高エネルギーの製品と同様注意して設計すべきだと思います。逆に考えると、これら以外は製品事故につながる製品は意外と少ないとも言えます(こういう考え方をしてよいかは別問題ですが・・・)

 

 

製品事故の定義(経済産業省 「製品安全ガイド」 より引用)
「消安法第2条第4項において、『製品事故』とは、消費生活用製品の使用に伴い生じた事故のうち、

  1. 一般消費者の生命又は身体に対する危害が発生した事故
  2. 消費生活用製品が滅失し、又はき損した事故であって、一般消費者の生命又は身体に対する危害が発生するおそれのあるもの

のいずれかに該当するものであって、消費生活用製品の欠陥によって生じたものでないことが明らかな事故以外のもの(他の法律の規定によって危害の発生及び拡大を防止することができると認められる事故として政令で定めるものを除く。)と規定されています。」

 




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